空港運転教本

車両準備

まず最初に空港では必ず左右を走っている車が見えやすくなるようにシートポジションを合わせる
次にサイドミラー、バックミラーは適当でいい
シートベルトよりサイドミラーのほうが重要

シートポジション

1.お尻とシートに隙間ができないように深く腰掛け、左足をフットレストに置く
フットレストを足の裏で踏んで体が支えられるくらいの位置にシートスライドを前後調整

その状態から右足がアクセル・ブレーキペダルを全開で踏み込めるか確認
膝に少し余裕ができるくらいの方がいい


2.背中をシートバックにピッタリつけて、ハンドルの最上部に両手を合わせて肘が伸びきらない位置でシートのリクライニングを調整

シートポジションの悪い例

腰痛まくらくん

万が一急ブレーキを踏んだときにブレーキの力で身体が後ろに押し付けられて適切な力でブレーキを踏めなくなる
また、ダッシュボードの高さに対して視線の位置が低いため視界が悪く死角が多い

肘と膝が伸びすぎくん

ハンドルから離れて運転する姿勢は、ハンドル、アクセル、ブレーキから離れすぎて操作がしにくい
万が一の際に急ブレーキを踏み込めなかったり、ハンドルはシートバックから身体を起こさないと操作できない
素早く確実な操作が不可能になる

顔・背中が前のめりガイジ

運転に自信がないから車のすぐ前を見たがる

ハンドルにしがみつくような姿勢は車から近いエリアしか見えておらず、視界が狭すぎる
そして肘がダブついているのでいざというときに素早いハンドル操作が出来ない絶対に

右サイドミラー

運転席側のサイドミラーを調節する際の左右比は、サイドミラーの中に運転している車体の1/4~1/5程度が映り込むように

左サイドミラー

助手席側のサイドミラーの左右比は、サイドミラーの中に運転している車体の1/4程度が映り込むように

左右いずれも上下比は、空と路面の比率が半々程度になるように

1.停止から発進

停止した状態から発進させる時はゆっくりアクセルを踏み始める。

低速ギアは前に進む力が強く、スピードが出ないように設定されているので発進時はゆっくり少しずつアクセルコントロールをしていく。

アクセル開度は2~3割程度から
5秒間の間でゆっくり20km前後を目指す

滑らかに加速させる重要なポイントはアクセルペダルの踏み始めをじわ~っと柔らかく踏み始める
ローギアでゆっくり加速させてからペダルをしっかりと踏み込んで、滑らかに加速していく

運転が下手な人は2割前後でアクセルを踏んでいる状態から一気に8割以上で踏み込むので車が縦に揺れる
段階的にゆっくり踏み込めばピッチングを抑えてスピードを乗っけられる

乗用車はバイクやスポーツカーのようにピッチングモーションを使って最速で曲がれる乗り物ではないのでピッチングするような加減速をつけて止まっても意味がない

上手なアクセルペダル操作方法は安心・安全に走行速度をコントロールし、かつ、急発進や急加速で同乗者の体を前後に揺さぶることのない滑らかな走行をすること

滑らかに加速させる重要なポイントはアクセルペダルの踏み始めをじわっと柔らかく踏み始める
一般的なAT車はスピードが乗ってきたら急激にペダルを踏み込まないかぎり、多少しっかり踏み込んでも滑らかに加速していきます

ペダルの踏み具合に対してどれくらい加速するかの感覚を掴みながらピッチングを意識して適切な速度にコントロールする


2.走行状態から停止

定速走行からアクセルを抜いてスピードをコントロールする
最近の電気自動車などは回生ブレーキで減速する効果が生まれるのでブレーキがあまり必要ない

通常の車のブレーキ

EVやハイブリッドなどの回生ブレーキ

ガソリン車もEVやハイブリッドでも2つ先の信号を見ながらアクセルを徐々に戻してなるべくブレーキを使わずに停止させる

下手な人はアクセルを離すタイミングが遅いので無駄にブレーキを踏み込んで減速時にもピッチングを発生させる
空港のコーナーはほぼすべて90°以下で角度も緩く、峠の下りのように急ではないのでピッチングが生まれるほどの急減速をさせる必要がない

ブレーキの踏み方・戻し方

①踏み始めは足首を使いじわ~っと踏む
②膝と足首を使い一定スピード​(急ブレーキの場合を除く)でしっかり踏み込む
③止まる寸前は、足首を使いじわ~っと戻す
(この操作を「抜き」という)

ペダルの踏む位置・操作

かかとを床に付け、そこを支点として
アクセル・ブレーキを以下の通り操作する
(急ブレーキの場合を除く​)

[アクセル]
・ペダルの中央を踏む
・足首とつま先を使ってじわ~っと操作

[ブレーキ]
・指の付け根がペダル中央にくるように踏む
・足首とつま先を使ってじわ~っと操作

停止時のブレーキの使い方

ブレーキの踏み始めはじわっと踏み、効きはじめたらしっかり踏み込んで減速
停止寸前ではじわっと踏み戻して、滑らかに停止

上手なブレーキペダル操作方法はアクセルペダル操作と同じように、急ブレーキ、急減速で同乗者の体を前後に揺さぶることないように滑らかに速度を落とし、安心・安全に減速・停止すること

滑らかに減速させる重要なポイントはアクセルペダル操作と同じようにブレーキペダルの踏み始めをじわっと柔らかく踏むことです

ブレーキが効き始めたら、かなり急激にペダルを踏み込まないかぎり多少しっかり踏み込んでも滑らかに減速していきます

ペダルの踏み具合に対してどれくらい減速するかの感覚を掴みながら適切な速度にコントロール

停止する際は早めにアクセルを離して速度を落とし、止まる直前に急ブレーキにならないようにする
停止する寸前は、ブレーキペダルをじわっと少し戻すと、停止時にクルマのフロント部分がつんのめる様な動きを抑え、滑らかに停止できます

突然、歩行者や障害物が前方に飛び出してきた緊急時などは急減速しても車体を抑え込めるように
しっかりハンドルを保持しながら思いっきりブレーキを踏み込んで衝突を回避します

最近の車はABS(アンチロックブレーキシステム)が作動するので教習所で習うポンピングブレーキは制動距離が長くなるだけなので一切必要ありません

急制動による車体の急激な姿勢変化をハンドルを上手に使って抑え込むことの方が重要

https://youtu.be/GLlnF6gOu5I?si=JtcPVtixJ40eooCc

3.車線変更

【車線変更ステップ1】

後方のクルマが、ルームミラーの中と、ドアミラー中央におさまっているときが車線変更のチャンス

ルームミラーは後方が広く映るので混雑状況や交通の流れを確認することができる
車線変更をする前に、一度後方全体の様子を見ておく

右側の車線に移るときは、ルームミラーに後方のクルマの全体がおさまっていることを確認
車の大きさにもよりますが、この状態ならおおむね安全に前に入ることのできる距離が空いています

このときドアミラーを見ると、同じクルマがほぼ真ん中に見えているはずです
もちろんミラーだけで周囲の状況を確認するのは絶対ダメ
ミラーでの確認の後、必ず自分の目で周囲の状況を確かめてください

安全が確認できたら、ウインカーでまわりのクルマに車線変更の意思があることを知らせます
合図を出すのは実際にハンドルを切る3秒前が目安です

この時にサイドミラーには死角が存在するので必ず車線変更先を絶対に目視で確認する


【車線変更ステップ2】

加速して車線変更先の後方のクルマとスピードを合わせる

安全確認を終えたら移動する車線に合わせて車速を調整
急加速をする必要はないので、クルマの流れを見ながら落ち着いて操作しましょう

基本的には右車線は追い越し車線なので左の走行車線よりも速いスピードでクルマが走っています
車線変更の前に、右車線の後方のクルマと同じスピードまでしっかり加速しておきましょう

スピードが遅いまま追い越し車線に移ると後ろのクルマが減速しなければならなくなります
追い越し車線を走る車に迷惑をかけずスムーズに車線を移る為に事前にスピードを合わせておく

なるべく急加速は避け、ゆっくりとアクセルを踏み増すように
右側後方かりに気を取られていると、右側前方を走る車に追突する可能性もあります(ないけど)

逆に右から左に移るときなどは、スピードが遅くなることもあります
その場合はゆっくりとアクセルを離して必要であればブレーキを使って左側の車線を走っている車のスピードに合わせてから車線変更しましょう

3車線の真ん中に移るときは、逆側の車線から入ってくるクルマがある可能性も頭に入れておいてください

【ステップ3】

3秒かけてゆっくりと車線変更を完了させる

早く隣の車線に移りたいからといって、急な車線変更は交通公害です

車線変更の目安は、ゆっくり3秒かけて車線変更を完了させます
1、2、3と数えると実際の秒数と比べ早すぎることもあるので、トヨタの運転技術教育では「1011、1012、1013」(センジュウイチ、センジュウニ、センジュウサン)と数えるそうです

そこまでは必要ないと思います

ハンドルは急に切らない! 目標(遠く)を見て、じわ~っと最小範囲で操作

ハンドルは腕でまわすのではなく、手首でじわ~っと押したり引いたりするイメージで操作
滑らかに車線を移ることを心がけてください

高速道路では、乱暴なハンドル操作はしっかりと死亡事故に繋がります

4.駐車場への入庫

必ずバックで駐車を行う車庫入れは下手くそな初心者にとってトップクラスの苦手項目

前進する時は進行方向を目で直接見ることができますが、後進する時はミラーを使って周囲の状況を確認しなくてはなりません
慣れている自分の家ならまだしも、空港付近の特殊な駐車場では感覚がつかみにくいこともあるでしょう(ないです)

どんな駐車場でも基本のテクニックは同じ
上手にバック駐車できるようになるためのコツを紹介

【ステップ1】

隣の枠に駐車しているクルマに対し、垂直になるように寄せて停車する(最初の位置を決める)

ここでは、自分のクルマから見て左側のスペースに駐車をする方法を解説します。右側のスペースに駐車する場合は、方向を逆にして考えてください。

まずは自分が止めたい枠の隣に駐車しているクルマを目安に駐車の操作を開始する“最初の位置”にクルマを停車してください
駐車車両がない時は、駐車枠の白線を基準にするといいでしょう

いつも同じ感覚でバック駐車できるよう、まずは操作を始める“最初の位置”を決めます

駐車枠を選んだら、その左隣に止まっているクルマに対して垂直になるようにクルマを寄せます
隙間はだいたい50cmです

ほかのクルマが後ろにいても無視して焦らずにゆっくりと進んでください
ハザードランプを点灯していれば、駐車する意思が周囲に伝わります

しっかりと自分が停めたい駐車枠を見て、駐車枠の左の白線付近と自分の肩が並ぶところまで来たら一度停止
今あなたのいる場所がバック駐車のスタート位置になります

なお、ここで紹介したスタート位置はセダンタイプのクルマでの目安なので「ハイエース」などのように車軸の真上に着座する車では白線の位置はドライバーのずっと後方になります

運転する車の着座位置に応じて、感覚を覚えていきましょう

【ステップ2】

ハンドルを右に切って前進し、左のサイドミラーで左後輪の位置を白線に合わせていく

停止した位置からハンドルを右に切って、ゆっくり前進

駐車スペースに対して斜めの状態を作ります
後でバックする時に楽になるよう、遠慮せず可能な限りハンドルを右に切ってください

この状態で前進していくと、左隣のクルマが左のドアミラーに映るようになります
自分のクルマとの間に少し隙間が見えるところまで進んだら停止。

ハンドルを真っすぐにしてギアをバックに

【ステップ3】

イン側後方のタイヤが隣のクルマの前端を過ぎたら、ハンドルを切ってクルマの向きを真っすぐに

左右のサイドミラーに映る隣の車との距離を参考に、自車の位置と向きを調整していく
目安は自車のイン側ボディーと隣のクルマの右フロントとの間に、10cm程度隙間ができる距離
この状態からならほとんどの駐車場で一発でに駐車枠に進入できます

左右の後方の様子をサイドミラーで確認し、ハンドルを真っすぐ戻しながら駐車枠へ向けてバック
左右の車をサイドミラーで確認しながらゆっくりとクルマを後進させてください

最近の車はギアをバックに入れると自動的にミラーの角度が下向きになるものもあります
もし見えなければ体を乗り出してミラーの見える角度を変える

自分の車の左後ろのタイヤが、左隣のクルマの右前端(バンパー右端)を通過したらハンドルをまっすぐに戻し始めるタイミング

ゆっくりとハンドルを戻していき、左右の車に対して車体を平行にしていく
ここで左右どちらかに寄りすぎていたり、自車の向きが斜めになっている場合は、ハンドルで向きを調整しながら前進して姿勢を修正します

左からの車庫入れでは主に左側のサイドミラーを使って隣の車との距離を把握することとなりますが、
右側のミラーで自車のリアバンパーの右端が右側に停まっている車に刺さらないか確認します

【ステップ4】

バックモニターは最後に使う

自分の目では見えない死角の位置がカメラで移るバックモニターは非常に便利ですが、車庫入れの時はほとんど使いません
車庫入れの作業で最後の最後に自車のリアバンパーやマフラーと縁石や車止めがぶつからないか、ゲレンデなど背面タイヤが柱などにぶつからないかを確認するために使います

自車の位置と駐車枠の後端との距離や障害物を確認するために使います

バックモニターに映る映像はカメラの取り付け位置によって画角が車によって変わるので100%正しいわけではないです
必ず自分の目で周囲を確認することを心がけてください

見にくければ、窓を開けて顔を出したり、ドアを開けたり、同乗者などに外から確認してもらいます

5.縦列駐車

初心者はもちろん、ハイヤーの運転手でも神経を使うのが縦列駐車

前後と右側の車線を通行している車に接触しないよう気をつけなければならないし、縁石にも注意が必要です

ハンドル操作も左に切ったり右に切ったりと大忙し
できれば避けたいものですが、都心ではこれが普通でパーキングメーターに縦列駐車で臨まざるを得ません

そんな縦列駐車も、タイミングさえつかめば意外に簡単です

【縦列駐車ステップ1】

前方のクルマの横に平行に止め、Bピラーの位置をそろえる

縦列駐車を始めるポイントは、前の駐車枠に収まる車の真横
一度ちょっと前に出て、バックしながらBピラーの位置をそろえるようにするとその後の操作がスムーズに
※上手な人は自車の位置が少し後方でも入ります

道路の脇に駐車できそうなスペースを見つけたら、その前方に止まっているクルマに平行になるように寄せていきます
このとき、ハザードランプをつけて周囲に駐車の意思を示すのを忘れないように

また目安として、前のクルマとは50cmぐらい間を空けた状態としてください

都心の大通りなど交通量の多い道では後方から来る車両に要注意
焦らずに、ゆっくりとスピードをコントロールしながら、2つの車が平行になるくらいまで移動させます
似たようなサイズの車同士なら、Bピラーかリアバンパーの位置を目安にするのが分かりやすいです

それができたらハンドルをイン側に左に切り始めます

【縦列駐車ステップ2】

ハンドルを左いっぱいに切って下がり、右のドアミラーに後ろのクルマ全体が映ったらハンドルをまっすぐに

バックしながら駐車枠に入れようとすると、クルマの前方が右側に振り出されます
右側の通行車線を走る車の通行を阻害しないように、安全に注意してリアバンパーを駐車枠に入れ込んでいきます

ハンドルを左いっぱいに切りながらバックします
この時は車の前方がかなり右側にはみ出ます

サイドミラーで駐車枠前後の様子を確認しながら枠に向かって後進していきます

【縦列駐車ステップ3】

自車の左前方が、前の車の後端を通過する頃にハンドルを右いっぱいに切り始めます

サイドミラーの内側には自車の後端が見えています
下がっていくとその真横に、後ろの枠に駐車されているクルマの全体が映るようになります
このタイミングでハンドルを真っすぐに戻し始めます

目安としては自車の左前輪が前に駐車されている車のリアバンパーに差し掛かったあたり

左のサイドミラーと左前方のフロントフェンダーからバンパー付近の死角を目で確認しながらハンドルを切る角度を調整
そのまま車体をまっすぐな状態に戻しながら駐車枠の後ろ側に向かってゆっくりバックします

左側リアタイヤが左側の枠線ギリギリまで下がったらハンドルを左に切って前進し、位置を調整します

初心者でも、バックモニターが装備されていれば後ろのクルマとの距離を確認できます
モニターがない場合はクルマから降りて直接目で確認することをお勧めします

何度か縦列駐車を繰り返すうちに、ハンドルを切ったり戻したりするタイミングや前後のクルマとの位置関係がつかめるようになります


【縦列駐車注意】

出ていくときは、前のクルマのバンパー全体が見えてから

駐車枠から通行車線に出るときは、前の車に接触しないか要注意!

縦列駐車の駐車枠から出ていくときには、可能であれば後ろに下がった状態からハンドルを一気に右に切って前進します

前のクルマに自分のクルマが当たらないか心配になると思いますが、目安としては運転席から前のクルマのバンパー全体が見えていれば十分な間隔が開いているので大丈夫です

少ししか見えていないようなときは、一度ハンドルを左に切りながらバックして
右にハンドルを切って出ていくようにしましょう。

もちろん、極端にボンネットが短いコンパクトカーやワンボックスカーでは、運転席からの見え方は違ってきます
十分な車間があるときに前の車がどのようにに見えるか事前に感覚を知っておくことも大事